角地
「アプレイザーM」こと、むかえ不動産鑑定事務所 代表 不動産鑑定士の向永隆則(むかえ たかのり)に、舞い込んだ2回目のテーマは、「角地」。
角地とは、2つの道路が交差した接点に位置する土地をいいます。
2つの道路に囲まれているけれど、1方向にしか抜けられない土地は「準角地」といいます。
さてさて、今回の「角地」。
2方向以上が道路となっている角地は、他の建物との隣接面が少なく開放感があるだけでなく、中間画地と比べて希少価値もあるような。
角地の評価についてひも解いてまいりましょう。
角地の評価
評価ポイントは2つ。
角地の価値率は一律ではなく、地域の特性により異なること。
角地だからといって必ずプラス要因になるとは限らないことです。
(1)「混在」住宅地域だったら・・・
通常、角地はプラス要因。
ただでさえ住商工がゴチャゴチャしている地域なので、2つの道路がもたらす豊富な日照・通風は貴重です。
(2)「高級」住宅地域だったら・・・
2つの道路からの騒音・振動がマイナス要因になるかも。
この地域を需要する富裕層は、「極めて」閑静で良好な居住環境を志向します。
(3)「高度」商業地域だったら・・・
角地はプラスに作用するのが通常です。
双方道路からの顧客誘導、建ぺい率緩和など建物設計の自由度アップにより、収益性に貢献します。
(4)「近隣」商業地域だったら・・・
例えば、生鮮食料品店・衣料品店などはマイナスもあり得ます。
陳列商品の宣伝効果が優る一方で、2方向からの有り余る日照が商品の劣化を促進させます。
評価
高度商業地域のケース
増価要因
角地
(説明上、他の増減価要因はないものとします)
格差率
収益性・利用効率が優る程度を考量して5%と査定
評価額
ずばり!
角地だからといって、いいことばかりとは限りません。
格差率は、地域の種別によって異なります。
電車の席も角(両端)が人気です。
私も、まっしぐらに角席を確保します。
特に、座って左側が空地となる角席がお気に入り。
ここが私にとっての「東南」の角地です。
でもでも、この場所、だれにとってもお気に入りとは限りません。
混雑時には、列車のロングシート端部の仕切りに乗せられたかばんやお尻があたってきたり・・・
メリットもあれば、デメリットもあるわけです。