土壌汚染
「アプレイザーM」こと、むかえ不動産鑑定事務所 代表 不動産鑑定士の向永隆則(むかえ たかのり)に、舞い込んだ7回目のテーマは、「土壌汚染」。
マンション用地等の大規模地取引の活性化、不動産証券化における投資家保護の観点から、土壌汚染の問題が大きくクローズアップされている昨今。
特に工場・ガソリンスタンドなどの利用歴がある土地の調査・評価に当たっては、土壌汚染の可能性について十分に留意する必要があります。
■調査
今日は、某私鉄駅前にある旧来からの商店街に出没。
「主として近隣の居住者に対する日用品等の販売を行う店舗等が連たんしている地域」、いわゆる近隣商業地域。
対象地は、そんな商店街の一画にある。
街路条件、交通接近条件、環境条件、行政的条件、画地条件・・・
どの条件を調査分析してみても、標準的画地と比較した増減価要因はないようです。
今回こそは、評価・単純・手間いらずぅ~ と、舞い上がる私。
そして、地元精通者に突撃取材。
【対象地の隣りにある不動産屋さんにて】
アプM
こんにちは。この辺の土地相場、どんなもんですか。
精通者
うーむ。普通なら坪35万円ってとこだな。
アプM
普通なら、ですね。近頃、景気はどーですか?
精通者
いまいちだね。隣りの空地もなぜか買い手が付かないし。
アプM
へぇ-、隣りの空地がねぇ。(ん?隣りって対象地のことじゃん!)
で、どうして売れないんですか?
精通者
今は空地だけど、もともとはクリーニング工場でさ。
どうも土が汚れてるとか、汚れてないとか。土壌汚染ってやつだ。
アプM
土壌・・・汚染・・・(真っ青)
その後、専門家による詳細調査をした結果、対象地は土壌汚染が存することが判明・・・
ポイントはひと~つ。
土壌汚染による影響が「ない」ものとして求めた土地価格から、汚染浄化に要する費用を控除して、評価額を決定するべし!
評価
汚染浄化費用の査定
評価額
汚染物質の調査・浄化費用は、土地の個別性により千差万別であり、その規模・汚染状況によっては土地価格を上回るほど多額の場合もあり得ます。
なお、汚染の除去等の措置が行われた後でも、心理的嫌悪感等による価格形成への影響を考慮しなければならない場合があることに留意が必要です。
締めの一句!
土調べ、汚れがあったら、どぅじょう