不動産からみる日曜劇場『半沢直樹』の楽しみ方
助手・とん
7年ぶりの新作、期待を裏切らないデキですよね~。
むかえ
日曜は、21時前に用事を済ませて、テレビの前に陣取るように心がけているし。
実は、編集時代に半沢直樹役の堺雅人さんに取材をしたことがあるので、きっとむかえさんの「倍」楽しめているのじゃないかな。
どんな人だった?
だから、半沢直樹の高いテンション、緊張感を観ると、すごいなって純粋に思います。
でも、フォーカスしたいのは、ストーリーではありません。
『半沢直樹』の世界観に重厚感をもたらす不動産についてです。
半沢と大和田が7年ぶりに再会したのは、東京国立博物館の大階段!
2013年7月から9月にわたって放送された前回の『半沢直樹』。
第1部は『オレたちバブル入行組』をベースにした「大阪西支店編」で、第2部は『オレたち花のバブル組』をベースにした「東京本店編」の2部構成でした。
大阪西支店編では、梅田阪急ビル、梅田スカイビルの空中庭園展望台、ヒルトンプラザウエスト、東六甲展望台(兵庫県西宮市)などがロケ地。
そして、東京本店編では、半沢が勤める東京中央銀行の外観に中央区日本橋の三井本館が使われ、内部に千代田区神田錦町の学士会館が使われました。
こうした建物をCG合成などで組み合わせて、『半沢直樹』の世界観を重厚なものにしています。
特に、三井本館と学士会館は、銀行の品格や威厳をよく表現している建物です。
三井本館は国の重要文化財で、学士会館は登録有形文化財に指定されている歴史的建造物。
これらの建物は、今作の続編でも頻繁に登場していますね。
学士会館の201号室は、前作で大和田常務(香川照之)が半沢に土下座をさせられた場所。
ストーリーの中では、銀行の大会議室ですが、学士会館は宿泊、レストラン、会議室、結婚式場などを完備する施設なので、ファンにとっては格好の聖地巡礼スポットとなっています。
そして、7月26日に放送された続編2話で話題になったのが、半沢と大和田の7年ぶりの再会となったシーンです。
原作の『ロスジェネの逆襲』に大和田は登場しないにもかかわらず、ドラマでは因縁の二人が再開します。
その舞台は、東京中央銀行のレッドカーペット敷きの大階段。
すごい重厚感のこの場所は、東京国立博物館の階段なんです。
この場所で、半沢と大和田の熱量の高いシーンが撮影されました。
歴史的建造物の保存・活用を推進する文化財保護法
さきほど、三井本館は国の重要文化財で、学士会館は登録有形文化財と説明しました。
これらは、有形文化財と呼ばれているもので、三井本館や学士会館のような歴史的建築物だけでなく、絵、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書など、貴重な有形の文化的所産が該当します。
有形文化財は、重要なものとして指定される「重要文化財」、その中でも特に価値の高いものとして指定される「国宝」、さらに保存及び活用のための措置が必要とされる「登録有形文化財」があります。
そして、これらの文化財は文化財保護法によって、保存・活用が促進されることとなるのです。
文化財の種別
参考:文化庁PDF「登録有形文化財建造物制度のご案内」
有形文化財として指定・登録されることは、国民的財産となることです。
また、同時に公共のために保存をしたり、できるだけ公開をしたり、文化的活用を図る必要が生じます。
さらに、指定・登録を受けた建物は、滅失、毀損、現状変更、所有者の変更にあたり、許可や届出が必要です。
過失があれば、罰則規定も定められています。
そして、現状変更(位置や形を変える行為)については、その内容によって許可が必要となります。
令和2年8月1日現在の有形文化財(建造物)で、国宝に指定されているのは227件(290棟)、重要文化財に指定されているのは2,509件(5,122棟)、登録有形文化財として登録されているのは12,569件です。
区分 | 登録件数 |
---|---|
国宝 | 227件(290棟) |
重要文化財 | 2,509件(5,122棟) |
登録有形文化財 | 12,569件 |
参考:文化庁HP「文化財指定等の件数」
本日8月2日は、第3話の放映日。
ご紹介した歴史的建造物だけでなく、『半沢直樹』には東京ミッドタウン日比谷や住友不動産六本木グランドタワーなど、魅力ある不動産が登場します。
ぜひ、ストーリーとあわせて、舞台となる不動産もご一緒に楽しんでくださいね。