東京・千代田区長の疑惑の元!?規制の緩和って
助手・とん
特に、記者会見、多いです。
実は、私も編集・ライター時代に記者会見とか、まあまあ行っていたのですけれど、その頃には生配信ってなかったからなー。
むかえ
編集で切り貼りされたものよりも、話の流れがみえるから、理解はしやすいけれど、最近の会見は質疑応答も長くて、3時間くらい放映されているケースも。
もう、こうなると映画1本くらいの長さだから、会見をしている方も、観ている方も疲れてきちゃうよー。
もう、記者さんたちも疲れちゃっているはず。
同じような質問をして、会見者がすでに何度も説明しているってキレかかったり。
7月28日に観た東京都千代田区の石川雅己区長の会見も、かなり感情的になっている印象でしたよ。
2018年に分譲された千代田区三番町の人気のマンションを、事業協力者住戸枠で優先的に購入したって話でしょ。
その疑惑について、区議会は、区長を地方自治法違反(偽証、証言拒否)の疑いで東京地検に告発する方針を決めたそうです。
これに対して、区長は一方的に議会を解散。
なんだかもう、めちゃくちゃですよ。
今回の記事では、疑いの元となった「事業協力者住戸」や建築物の高さ制限緩和の根拠となっている「総合設計制度」などについて解説します。
一般の人には売り出されない事業協力者住戸
新築分譲マンションには、一般に分譲される「分譲住戸」と、一般の人には売り出されない「非分譲住戸」があります。
事業協力者住戸は、後者の非分譲住戸にあたり、一般的には、建設地となった土地にもともと住んでいて、その土地を提供した人(地権者)に対して、優先的に配分される住戸(地権者住戸)です。
ただ、地権者住戸は事業協力者住戸のわかりやすい例のひとつ。
事業協力者には、地権者だけでなく、「マンションを分譲する事業に協力してくれた人たち」が含まれています。
例えば、マンション建設により不利益(日照問題など)が生じるマンション建設地周辺に住む住民。
こうした人が無抽選で購入できるようにするというのが、最もわかりやすい例。
でも、実際は、得意客が優先的に購入できるようにするための枠となっているケースが大半のようです。
今回問題になっている千代田区長は、この事業協力者住戸を妻と次男との共同で購入。
もちろん、このマンションは無償で提供されるものではなく、正規の代金を支払っています。
「なら、問題ないじゃないの」と思う方もいるかもしれません。
でも、実はこのマンション、区長自らが規制緩和を行って建てられたマンションなのです。
そうしたことから、区議会は、区長がマンション販売会社に有利になるように、区の制度を運用し、見返りとしてマンション購入で便宜を図らせた疑いがあるとして調査をしています。
総合設計制度によって高さ制限を緩和
区長が行った規制緩和は、「総合設計制度」によるものです。
この制度については、むかえ不動産鑑定事務所の「不動産の鑑定評価を理解するための用語集」でも説明している通り。
建築物の敷地に一定以上の広さの「公開空地」(オープンスペースの一種で、一般公衆が自由に出入りできる空地)を設ける開発者に対して、特定行政庁の許可により、容積率および各種の高さ制限(道路高さ制限・隣地高さ制限・北側高さ制限・絶対高さの制限)を緩和するという制度です。
地域の環境改善に貢献する代わりに、建築基準法の規制を緩めるもの。
今回の件では、建設に当たり、公開空地を設けるなどし、容積率の規制緩和が認められる「総合設計制度」の許可を千代田区が与えた結果、容積率は周辺地域の通常のほぼ2倍、高さは10メートルのアップが認められました。
この総合設計制度によって、規制緩和をできたのですね。
昨日は、千代田区議会で百条委員会を開いて、区長の次男を証人尋問しています。
そこで、次男は購入する住戸が「事業協力住戸」の説明があったか、覚えていないといっているそうです。
新型コロナウイルス対策を進めていかなくてはならないこの時期に、区議会が空転しているのは心配ですね。