相続

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相続登記の義務化づける所有者不明土地法が成立!アイキャッチイメージ

民事基本法制を見直し、相続登記を義務化へ

固定資産税の課題「所有者不明土地」の発生を防ぎ、土地の有効利用を促進

前回のブログで取り上げた「固定資産税」。

実は、課税の側面に加え、公共事業や都市部の再開発、生活環境面という観点からも弊害となっている課題があります。

「所有者不明土地」問題です。

所有者不明土地とは、法務局の登記簿を確認しても、その土地の持ち主がわからず、わかっても連絡がつかない土地のこと。

相続時に遺族が登記手続きなどをせず、今では誰が所有者なのかわからなくなってしまった状態ということです。

所有者がわからなければ、課税ができないだけではありません。

所有者不明土地の問題が、注目されたのは東日本大震災の時です。

住宅の高台移転や土地の区画整理などの復興整備事業の推進にあたり、所有者不明・相続手続きが取られていない土地が多数見つかり、整備に遅れが生じ、復興事業に大きな影響を及ぼしました。

こうした所有者不明土地の面積は、日本全体の2割※にのぼります。

所有者不明土地の割合イメージ

※平成29年国土交通省調査より
法務省参照:「民法等の一部を改正する法律」及び「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」の概要 2021/5/19確認

所有者不明土地の問題を解消する関連法が成立

2021年4月21日の参院本会議で、所有者がわからない土地の問題を解消するための「民法等の一部を改正する法律(民法等一部改正法)」及び「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律(相続土地国庫帰属法)」が成立しました。

改正のポイントは、所有者不明土地の発生予防と、既に発生している所有者不明土地の利用の円滑化です。

では、概要をみていきましょう。

(1)不動産登記制度
の見直し
(2)土地を手放すための
制度の創設
(3)土地利用に関連する
民法規律の見直し

(1)不動産登記制度の見直し

登記がされるようにするための見直しで、所有者不明土地の発生予防を目的とするものです。

・相続登記の義務化と罰則の制定
 →土地や建物の相続を知った日から3年以内に登記するよう義務づける。
  (違反の場合、10万円以下の過料を科される)
・所有権の登記名義人の氏名または名称、住所の変更の登記の義務付け
 →変更があった場合、その日から2年以内の変更登記申請を義務化。
  (違反の場合、5万円以下の過料を科される)

・相続申請登記の新設
 →これまで相続人全員の戸籍などを集める必要があった相続登記の不動産登記法を改正し、相続登記の手続きを簡略化する。

(2)土地を手放すための制度の創設

土地を手放すための制度として、相続土地国庫帰属制度を新設し、所有者不明土地の発生予防を目的とするものです。

この制度は、相続などにより土地を取得した者で、管理が難しい場合に、相続した土地を手放して国庫に納められるというもの。

対象となるのは「建物がない」「担保権等が付いていない」「土壌汚染がない」「境界について争いがない」「管理又は処分にあたって過分の費用又は労力を要する土地でない」など、条件を全て満たした土地に限られます。

各地の法務局による審査を経て、さらに、申請時の手数料と、国が10年間管理するのに必要となる標準的な費用(200㎡の宅地で80万円程度が目安)を管理費として納めれば、土地を手放せるようになります。

(3)土地利用に関連する民法規律の見直し

所有者不明土地の取引の機会を増やし、休眠状態にあった不動産の流動性を高める土地利用の円滑化を目的とするものです。

・土地・建物の管理制度の創設
→ 所有者不明土地・建物の管理を効率化・合理化するために、個々の所有者不明土地・建物の管理に特化した新たな財産管理制度を創設。
→ 管理不全化した土地・建物の適切な管理をするために、所有者が土地・建物を管理せずこれを放置していることで他人の権利が侵害されるおそれがある場合に、管理人の選任を可能にする制度を創設。

さらに、不明共有者がいる場合や長期間経過後の遺産分割の見直し、隣地等の利用・管理の円滑化する相隣関係規定の見直しが行われています。

むかえ不動産鑑定事務所 助手のとん イラストイメージ

助手・とん

かなり大きな民法と不動産登記法の改正ですね。
4月21日に成立とのことですけれど、いつ頃から施行となるのでしょうか。

むかえ不動産鑑定事務所の代表「向永隆則(むかえたかのり)イラストイメージ

むかえ

原則として公布(令和3年4月28日)後2年以内の政令で定める日。
相続登記義務化関係の改正は3年以内、住所変更登記義務化関係の改正は5年以内ということになっているよ。

むかえ不動産鑑定事務所 助手のとん イラストイメージ

まだ、はっきり決まっていないってことですよね。

むかえ不動産鑑定事務所の代表「向永隆則(むかえたかのり)イラストイメージ

そう。
2024年がめどになるといわれているよ。
この所有者不明土地の問題は、高齢化の進展により、さらに増加が見込まれているかなり深刻な問題だから……。

むかえ不動産鑑定事務所 助手のとん イラストイメージ

相続で土地の問題を抱えていらっしゃる方は、しっかりと情報収集をして対応してもらいたいですね。

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