考えていますか、水害対策
9月に入り、雨の日が続いています。
今年の8月は記録的な大雨となってしまったこともあり、これから迎える本格的な台風シーズンに不安を感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
災害が発生するほどの危険な大雨が降るときに、「これまでに経験のないような」「数十年に一度」というフレーズを聴くことも多くなっています。
こうした気候変動の影響による降雨量の増加等に対応するため、国と自治体、民間、住民が連携し、河川の流域全体で水害抑止を目指す「流域治水」関連法が4月末に成立しました。
その一部が、7月15日に施行されています。
この法律では、流域治水の計画・体制の強化、下水道整備など氾濫をできるだけ防ぐ対策、中小河川の浸水想定区域設定といった被害の軽減、早期復旧、復興のための対策など、ハード、ソフト両面の幅広い対策を包括しています。
なかでも、ポイントとなるのは、水害の危険性が高い土地の利用規制を法律で明確に位置付けたことです。
法整備によって、流域全体を俯瞰し、あらゆる関係者が協働して取り組む「流域治水」の実現を目指しています。
一方で、私たち住民も水害リスクへの認識を高め、備えや住まい方を見直していかなければなりません。
水害に対する備えをしていない人が8割!?
ハウスメーカーの(株)一条工務店が実施した「水害対策に関する意識調査」によると、水害が身近で発生するリスクを感じている人は6割以上いるものの、8割以上の人が水害への備えをしていないことが明らかにになりました。
リスクを感じてはいるものの、備えるとなると何をしていいのかわからない……。
また、「これまで大丈夫だったのだから、きっと被害にあうことはない」という正常性バイアス※と言われる災害における特徴的な心理状況もあるのかもしれません。
※社会心理学、災害心理学などで使用されている心理学用語。自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまう人の特性のこと。
災害を他人事ではなく、自分事と捉え、関心を持つことが大切です。
例えば、練馬区では水害を考える際に必要な情報をまとめた練馬区水害ハザードマップ 令和3年6月発行(学習面)を公開していますので、そうした情報をチェックしてみることからはじめてみませんか。
令和3年6月発行「練馬区水害ハザードマップ(学習面)」 参照元:練馬区ホームページ 練馬区水害ハザードマップ 2021/09/07確認
まずは、水害とは何かを学び、ご自身が住んでいる土地の成り立ちや標高など、リスクに関わる情報を知っておきましょう。
意識を高め、災害に備えておくことが、防災に繋がります。
もしかすると、住み替えという選択肢を考えた方が良い場合もあるかもしれません。
そうした対策も含め、不動産に関する総合的なご相談事がございましたら、お気軽に当事務所へお問い合わせください!