東京五輪の選手村は「不当に安価」で売却される?
いよいよ、今週開幕する東京オリンピック。
開幕に先駆け、2021年7月13日に、大会期間中の選手や関係者の生活拠点となる東京・晴海の選手村が開村となりました。
この選手村は、オリンピックが終了した後に、宿泊施設を住居棟に転用し、50階建ての超高層住宅棟や商業棟などを建設する予定となっています。
オリンピック開催の賛否はともあれ、無事に終了することを願うばかりです。
一方で、選手村用地に関する訴訟が行われているのをご存知ですか?
その訴訟が、東京オリンピックが終了し、パラリンピック期間中の8月31日(火)に、結審を迎えます。
訴訟の争点は、不動産価格の適否。
官から民へ売却される選手村用地が「激安」なのでは?というもの。
都民が東京都を訴えています。
原告は、「都が発注した価格調査は不動産鑑定評価基準にのっとっておらず、近隣の公示地価や基準地価をまったく反映していない」と指摘。
だから、公示地価の10分の1という激安価格で五輪後に売却されると訴えています。
原告・被告それぞれの主張や、その主張がどのように判断されるかは結審を待つとして、今回の問題で指摘をされている不動産鑑定評価基準について、ピックアップしてみたいと思います。
不動産評価の拠り所「不動産鑑定評価基準」とは
不動産の鑑定評価とは、不動産の持つ経済価値を価格として表すことをいいます。
ただ、この鑑定評価は、人が判断する要素が大きいため、同じ不動産でも人によって価格の判断が異なることが通常です。
そこで、その価格差が少しでもなくなるようにと、評価の手順、判断基準を定めているのが不動産鑑定評価基準。
また、不動産の評価方法は、大きく「鑑定評価」と「価格調査」の2種類に分けられます。
「鑑定評価」は、不動産鑑定評価基準に則った正式なものに対して、「価格調査」は不動産鑑定評価基準に則らない簡易的なものです。
「鑑定評価」は比較的、工数も時間もかかるため、それにともない報酬額も高くなりがち。
そこで、不動産鑑定評価基準を適宜省略し報酬を低く抑えた「価格調査」が認められています。
助手・とん
むかえ
当事務所では、まず、お客様からどのような目的で不動産の価格を知りたいかをヒアリングして、お客様の依頼目的に沿った評価方法をおすすめしているよ。
例えば、取引相手と価格で対立することが想定されたり、節税対策として税務署への提出が有効な時には「鑑定評価」の方をおすすめしていますよね。
これらが本当に必要なのか、これらにより本当にお客様の依頼目的が達成できるのかが重要。
それを見極めて、必要なメニューをお伝えするようにしているよ。
両方とも必要ないですって、お伝えしたケースもありましたよね。
価格を知りたいという状況になったときに、お気軽にご相談いただけると嬉しいです!!