
前回のコラムでは、井草高校ゴルフ部時代の甘酸っぱい(?)思い出と、白金エリアにまつわるちょっぴりほろ苦い記憶をお話ししました。今回は舞台を一気に身近な「西友」へ!西武沿線っ子なら誰もが知っている(?)あの西友の1階と2階をめぐる熾烈な(?)ドラマと、今や世界中で大人気の「MUJI」にまつわる、価値の大逆転エッセイをお届けします。
🥇 2階のキラキラ「サンリオ」と、1階の渋すぎる「無印良品」
私たちが小学生の頃、西友のフロアに彗星のごとく現れたのが「無印良品」でした。今でこそ「シンプルでおしゃれ」「ミニマリズムの極み」なんて大人たちから大絶賛されていますが、当時の無印は西友のプライベートブランド(PB)。コンセプトも潔く「わけあって、安い。」でした。
当時の西武沿線キッズにとって、西友の2階にある「サンリオコーナー」はまさに聖域(サンクチュアリ)。キキララ(リトルツインスターズ)やハローキティのキラキラした文房具を持っていることが、クラスでの絶対的なステータスだったのです。
ですが、悲しいかな、小学生のお小遣いには限界があります。「今月のお小遣い、もうサンリオ買えない…」と絶望した私たちが、トボトボと階段を下りて向かった先が、1階の無印良品コーナーでした。
そこに鎮座していたのは、飾り気ゼロの茶色い再生紙ノートと、キャラクターの「キ」の字もない素朴な木目鉛筆。「……地味っ!!」と思いつつも、背に腹は代えられず買い求めた、甘酸っぱくも渋い妥協の選択肢だったのです(笑)。
🗣️ 発音のこだわりと、ロンドンの街角でドヤ顔した日
そんな地味子ちゃんだった無印良品ですが、当時の子どもたちの間では、こんな真剣すぎる議論が巻き起こっていました。
「ねえねえ、“むじるしりょうひん”って一気に言うのが正解? それとも“むじるし・りょうひん”って間をあけるべき!?」
放課後の教室で、木目鉛筆を握りしめながら大真面目に議論していたあの頃の私たち、可愛すぎませんか?(笑)
……と、そんな甘酸っぱい思い出から「十数年」が経ったある日のこと。旅行で訪れたイギリス・ロンドンの超お洒落なストリートで、私は目を見張ることになります。なんとそこには、洗練された高級ライフスタイルショップとして、堂々と輝く「MUJI」の姿が。
現地のお洒落なロンドンっ子たちが「Oh, this is Japanese cool finish!」なんて言いながら嬉しそうに買い物しているのを見た瞬間、心のなかで思わず叫びました。「それ! 私が小学生のときにサンリオ買えなくて代わりに買ってたやつーーー!!!」と(笑)。でも同時に、なんだか自分の幼馴染が世界的なスターになったかのような、誇らしくも不思議な感慨で胸がいっぱいになったのです。
価値はひっくり返る! だから街も不動産もおもしろい
子どもの頃は「安くて地味な妥協の品」だった無印良品が、時を経て世界中で憧れられるブランドになったように、モノや土地、そして街の価値だって、時代や人の視点、重ねてきたストーリーによってダイナミックに変化し続けます。
かつてはのどかな農地だった西武沿線が、電車の開通や街の成熟とともに「住みやすくて大好きなわが街」へと価値を高めてきた歴史も、まさに同じドラマです。
当事務所の代表が日々向き合っている不動産鑑定も、まさにこの「移り変わる価値」を解き明かすお仕事。 単なる数字や過去のスペックだけで決めつけるのではなく、その土地が歩んできた歴史や、これから先どんな魅力が咲くのかまで、じっくり愛を込めて見つめています。
昔のちょっとおバカで愛おしい思い出を大切に抱きしめながら、これからもこの街の「本当の価値」をワクワクしながら見守っていきたいです。
【当コラムについて】
本連載「とん助手ジャーナル(MEMORY JOURNAL)」は、むかえ不動産鑑定事務所(執筆:とん助手)独自の企画・著作物です。
練馬区・杉並区・中野区を中心に西武沿線エリアの地歴・地域カルチャーと、不動産鑑定の評価姿勢を温かみのあるエッセイとして届けるオリジナルコンテンツです。
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とん助手 (とんじょしゅ)
練馬育ち | 宅地建物取引士
練馬で育ち、この街の変遷や歴史(地歴)を肌で感じながら育った宅地建物取引士。「誰もが売り込まれずに、安心して本音を話せる場所を作りたい!」という自身の経験から生まれた強い想いで、皆様の相談窓口を担当しています。地元の細かな道から学区のブランド価値まで知り尽くす生粋の練馬っ子ならではの視点で、難しい書類や手続きも優しくナビゲート。ブログでは、地元の愛おしい記憶を言葉に紡いでいます。
思い入れや思い出が詰まった大切な土地・お住まい、
その“本当の価値”を見つめ直してみませんか?
不動産の価値は、単なる利便性や築年数といったスペックだけで決まるものではありません。
時代とともに変化する街の文脈や、住まう人が重ねてきた時間・愛着こそが、本質的な価値の土台となります。
むかえ不動産鑑定事務所では、数値上の相場比較にとどまらず、街の歴史や暮らしの温もりに寄り添う視点から、あなたの大切な資産の「真の姿」を丁寧に解き明かします。相続・資産見直し・素朴な疑問まで、どうぞお気軽にご相談ください。


