不動産市場動向

東京都練馬・杉並・中野区を拠点として不動産売却・購入までサポートするむかえ不動産鑑定事務所によるブログの「不動産市場動向」カテゴリの記事です。

令和3年都道府県地価調査結果アイキャッチイメージ

出ました!令和3年都道府県地価調査結果!

今年は、昨年と比べ、少し発表が早かったですね。

全国の土地の価格を調べる「都道府県地価調査」。
令和3年分が2021年年9月22日(水)に発表となりました。

この調査は、暮らしの影響が地価に反映されるため、国民の関心が高いのが特徴です。

しかも、今年はコロナ禍で2年目となる発表のため今後の影響を見極める意味でも、調査結果には注目が集まっています。

全国平均2年連続下落

昨年度の調査では、未知のウイルスであるコロナの影響で、全国平均では下落。
ただ、東京都をピックアップすると、対前年平均変動率は8年連続でプラスを維持していました。

今年は、全国の平均地価が2年連続の下落となったものの、下落率は縮小。

用途別では、住宅地は下落率が縮小し、商業地は下落率が拡大しました。

商業地の下落率が上昇した要因としては、2つの要因が考えられています。

新しい働き方の定着

コロナ以前にも、働き方改革の一環として、テレワークが促進されてきたわけですが、コロナ禍となり、出社する社員を7割減させるという目標を達成するために、在宅勤務やサテライトオフィスなど職住近接のスポットを活用する動きが活発化しています。

そのため、オフィスワーカーは、家から離れている商業地のオフィスへの通勤をしなくても、在宅や自宅近くのワークプレイスで仕事をすることとなり、通勤時間が短縮。
仕事とプライベートを両立しやすい環境が整いつつあります。

一方で、商業地からは人手が減り、オフィスビルの空室率が上昇。
そして、飲食店を中心に打撃を受けた状況が浮き彫りとなりました。

国外からの旅行客の減少

ご存じの通り、国外からの旅行者だけでなく、国内旅行でも自粛しなければならないですし、そもそも県をまたいだ移動自体の自粛が求められているのが現状です。

当然、観光地や繁華街は打撃を受け、現状を打破するためには、新たなビジネスモデルへの転換をしていかなくてはならないといわれています。

住宅地の下落率が縮小した要因は下記の通り。

家で過ごす時間の増加を背景に、自宅購入ニーズがUP

在宅ワークや外出自粛の影響で、家で過ごす時間が増えています。

自宅で仕事をする上で、手狭に感じてしまったり、生活音が気になったりといった方も多くなっているようです。

また、これまでは、利便性の高さを優先し、都市部に住んでいた方でも、通信環境さえ整えば、郊外で広めの家を選びたいと考える方も。

ライフスタイルの変化が、住まい方を見直すきっかけとなっています。

東京全域では商業地以外上昇

では、東京の地価にフォーカスして検証してみましょう。

東京都全域をみると、住宅地および工業地の対前年平均変動率は9年連続でプラスを維持となりました。

ただし、上昇幅は縮小に。

一方で、商業地は9年ぶりのマイナスという結果です。

令和3年都道府県地価調査東京結果図

<区部>
区部の状況を確認すると、住宅地が0.5%、工業地は1.7%上昇。
住宅地と工業地が上昇しているのに対して、商業地は0.3%下落。
全用途では、0.1%の上昇となりました。

<多摩部>
多摩部では昨年度調査で、住宅地・商業地・工業地すべてが下落していたのに対して、令和3年度調査では、住宅地・商業地に変動はなし。
工業地のみ2.1%上昇となりました。

これらの結果で注目したいのは、2つ。

ひとつは、工業地の上昇です。

新型コロナウィルスの影響を受け、商業地からは人手が減り、都心でなくても流通の拠点となる郊外のインターチェンジ近くの地価があがっているという話もあります。

次は、区部の住宅地の動向。

昨年度調査の1.4%と比べ、0.5%と上昇幅は縮小していますが、全23区で変動率がプラスとなっています。

令和3年地価調査 基準地価格区市町村別用途別対前年変動率 区部編イメージ

住宅地で上昇率が最も高いのは、品川区の1.9%。

次いで、港区・台東区の1.8%。

当事務所が拠点としている練馬区は0.4%、杉並区・中野区は0.8%でした。

一方、区部の商業地の動向としては、杉並区と中野区が0.6%でトップ。
練馬区は0.0%で横ばい。

都心5区を中心に商業地の地価が下落しているのに対して、杉並や中野といった住宅が多い地域の商店街が比較的堅調で、その影響が地価に反映されました。


本日9月24日、東京都の新型コロナウィルス新規感染者数は235人。
週平均の感染者数500人を下回り、9月中で緊急事態宣言を解除するという声も聞こえ始めています。

とは言え、まだまだコロナとの闘いは続くことが予想されています。

今回の調査結果から考えると、商業地の需要が当面不透明な状態が続く可能性があるものの、住宅地、特に区部に関しては大幅に需要が弱まることはないのではないでしょうか。

みなさんは、今回の調査を受け、どのように感じましたか?
もし、今の住まいについて見直したいので、相談したいと考えているならば、ぜひ当事務所にお声がけください。

不動産の専門家として、少しでもお力になりたいと考えています!

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