
西武沿線の各駅に息づく“推し獅子”の気配を、街歩きの目線でゆるく紐解くMY MEMORY JOURNAL番外編。
西武線沿線・練馬育ちのとん助手が、西武ライオンズが仕掛ける「圧倒的至近距離」の戦略を手がかりに、駅と街の魅力をていねいに拾いあげていく企画です。
むかえ不動産鑑定事務所は、西武ライオンズを、そして西武線各駅の街を応援しています、ということで、第16回の保谷編、行ってみましょう。
銀モールと手作りアルバムが物語る、相思相愛の「保谷愛」
西武池袋線の各駅が熱い「推し獅子」を掲げるなか、保谷駅を担当するのは渡邉勇太朗投手!
改札内に入ると、握ったボールをカメラにどーんと掲げるB0ポスターがお出迎え。しかし驚くのはその左隣です。なんとB0ポスターと同じ巨大なスペースを使って、渡邉選手を応援する手作りパネルコーナーが設置されています!
「保谷駅は渡邉勇太朗選手推し!!」の文字のもと、セットポジションの雄姿やワイルドなピッチングシーンが、まるで特大のフォトアルバムのように何枚も飾られているではありませんか。しかも周りはクリスマスツリーに使うようなシルバーのモールで華やかにデコレーションされていて、駅員さんの「とにかく見てほしい!」という情熱が溢れ出ています。
さらに改札外へ出ると、腕組みをして椅子に座る迫力満点のB1ポスター。その横には「あの現象に名前を展」のポスターがあり、「埼玉魂!推して埼玉」の解説イラストにはバッチリ渡邉投手の姿が描かれていました。浦和学院出身で埼玉ゆかりの選手だからこそ、余計に応援したくなるあの感情を見事に言語化してくれています。
案内所にはサイン入りユニフォームやタオルも飾られており、まさに保谷駅と渡邉投手の密月関係は本物。推し獅子企画スタート時の2022年からずーっと同じ駅を担当し、ついに今年は開幕投手へ。
駅番号「SI12」と背番号「12」という運命的な数字の引き合わせから始まったこの絆は、年を重ねるごとに愛着を増しているようです。

保谷行きの終電と、お姫様気分の独立劇
実をいうと保谷は、私が人生で唯一「一人暮らし」を経験した思い出の街です。 大学卒業後、実家のある石神井公園から通勤していた私ですが、思い立って一人暮らしを開始。なぜ独立の地に保谷を選んだのか。そこには、当時の私を強力に引き寄せる「保谷の三大磁場」が存在していました。
ひとつ目は手頃な家賃。ふたつ目は、近所の幼馴染一家や叔父、従兄妹までがなぜか集結している「困ったら誰かに頼れる」という謎の包囲網。そして決定打となったのが、当時残業続きだった私を救う「西武池袋線の終電は保谷行き」という圧倒的真理でした。
深夜のホームで「保谷行き」の文字を見るたび、「勝った、これで寝過ごして小手指や飯能まで運ばれる心配もない……!」と心の中でガッツポーズをしたものです。知人の気配と終電の安心感に守られた保谷は、忙しい日々を送る私を優しく迎え入れ、まるでお城のお姫様になったかのような錯覚すら覚えてしまう、「自分だけの聖域」だったのでした。

一本の道路が分けた「練馬区民」への未練
どうせなら住み慣れた練馬区内で探したかったものの、結局決まったのは道路を一本挟んだ西東京市(旧保谷市)側。まさに「あと数メートルで練馬区民だったのに!」というギリギリのエッジに、私のお城は誕生したのでした。
ちなみにこの保谷、実は池袋線の前身・武蔵野鉄道が最初に車庫を置いた「鉄道の原点」でもあるのだとか。夜な夜な終電で転がり込む私を優しく受け止めてくれたのは、歴史的に電車を温かく迎えてきた街の懐の深さゆえだったのかもしれません。
実家とはひと味違う畑の匂いと、武蔵野の空にそびえる大きな鉄塔。保谷には、そんな情景に囲まれた私の1年間の甘酸っぱい思い出がいっぱい詰まっています。
保谷駅を訪れる際は、ぜひ駅員さんの深い愛と工夫がぎゅっと詰まった渡邉投手のポスターを探してみてください。

STATION & PLAYER DATA
保谷 駅
練馬区と接する武蔵野の情景を残し、終電の始発・終着駅としても愛される生活拠点。
- 駅の性格:武蔵野の面影を残す畑や鉄塔の風景と、池袋線有数の乗降客数を誇る利便性が同居する“温もりの境界都市”
- おすすめスポット:保谷電留線(旧車庫・旧5形5号蒸気機関車)/あらやしき公園(保谷ガラス発祥の地碑)/下保谷森林公園
- 1日平均乗降客数(※所沢駅を除く):
57,972人(池袋線内※・8位)[対前年増減率]1.8%(池袋線内※・13位) - 最寄の地価公示ポイント:西東京5-4(商業地)|61万円/㎡(変動率 6.9%)
渡邉 勇太朗 投手
恵まれた体格から投げ込む角度のある直球と、ワイルドかつダイナミックなピッチングで投手陣を牽引する期待の本格派右腕。
- 背番号:12
- ポジション:投手(右投/右打)
- 出身地/出身校:埼玉県/浦和学院高
- 登場曲:Highway to Hell / AC/DC

とん助手 (とんじょしゅ)
練馬育ち | 宅地建物取引士
練馬で育ち、この街の変遷や歴史(地歴)を肌で感じながら育った宅地建物取引士。
「誰もが売り込まれずに、安心して本音を話せる場所を作りたい!」という自身の経験から生まれた強い想いで、皆様の相談窓口を担当しています。
地元の細かな道から学区のブランド価値まで知り尽くす生粋の練馬っ子ならではの視点で、難しい書類や手続きも優しくナビゲート。
ブログでは、地元の愛おしい記憶を言葉に紡いでいます。
推し獅子と沿線を歩くと、街の表情が少しずつ変わっていきます。
人が街を選ぶ理由は、スペックだけでなく、どれだけ“好き”という気持ちが重なるか。
私たちが大切にしているのは、西武沿線の街への好きを育むその瞬間を、価値として丁寧に見つめ直すことです。
