住まい選びは宿命に支配されている?意外と影響力のある「地縁的選好性」
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今回の記事では、あまり馴染みはないけれど、意外と住まい選びに影響力がある不動産鑑定用語「地縁的選好性」をピックアップします。
さて、「地縁的選好性」という言葉、聞いたことはありますか?
漢字が6文字並ぶと、すでに日本語として読みにくさを感じてしまいますが、専門用語には、漢字の羅列が多いです。
不動産鑑定の公的評価に係る専門用語としては「地価公示法施行規則」だとか「土地区画整理事業施行地区」とか。
専門用語が名称となると、仕方がないですね。
地縁的選好性に話を戻しましょう。
まず、「地縁」について。
「地縁」とは、住む土地にもとづく縁故関係のこと。
つまり、現在住んでいる土地や過去に住んでいた土地などによる縁(人間関係)のことですね。
そして、「選好」について。
「選好」は、他よりもあるものを好むことです。
要するに、過去に住んでいた土地や人間関係によって、ゆかりのある土地を選びがちというのが、「地縁的選好性」。
そして、この地域的選好性が、これから新しい住まいを選ぼうという時に、意外と影響します。
よく地縁的選好性の例として取り上げられるのが、静岡県出身の方が東京へ上京してきたときに、どこに住むかという話。
この場合、東京の西側に住む方が多いそう。
実家に戻るときの利便性を考えて、西側に住むのだろう、と考察できますが、「地縁的選好性」ではそれだけではなく、自然と静岡に近い側を選ぶ、潜在意識が働くとされています。
なので、茨城県や栃木県出身だったら、東京の東側に住みたいと考えるようです。
そう考えると、住まい選びは宿命的に決まっているような……。
ただ、この地域的選好性は、実際に住んでいた地縁だけでなく、その地域の雰囲気や知識なども含まれるようです。
例えば、東も西も関係なく、東京のどこかに住みたいと考えた場合。
テレビや雑誌でよく取り上げられるエリアを選びたいという意識が働きませんか?
横浜や恵比寿、吉祥寺、中目黒に住んでみたいと思う方は多いですよね。
これらは、住みたい街ランキングで上位の街ですので、みなさんが知る機会が多いはず。
2019年の住みたい街(駅)
これらの街には魅力があっても、万人が必ずしも住みやすいとは限りません。
人気のある街は価格的には高いですし、治安や子育ての環境などはどうでしょう。
地縁的選好性にとらわれず、フラットな視点で住まい選びをすることで、より良い住まいを手に入れられることもありますよね。
そこで、現在、当・むかえ不動産鑑定事務所では、住まい選びの条件を可視化できるツールを開発予定です。
完成まで、しばらくお待ちください。
また、住まいの選びの条件を考えるというところからご相談に応じておりますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。