2021年路線価公表!東京は8年ぶりの下落
2021年7月1日(木)に、国税庁が令和3(2021)年分の路線価を発表しました。
路線価とは、国税庁が算出する土地の評価額です。
相続税や贈与税の算定基準とすべく、主要道路に面した1㎡あたりの評価額を発表しています。
全国の住宅地、商業地など建物の敷地となる土地が対象で、今年は約32万5千地点。
国土交通省が公表する公示地価(約2万6000地点)よりも細かくポイントが設けられているため、土地相場を詳細に把握できるのが特徴です。
コロナ禍が続く今回発表されたのは「全国平均で前年比0.5%減。6年ぶりの下落」という内容でした。
都道府県別でみると、東京、大阪、名古屋の三大都市を含む39都府県で下落。
上昇は北海道、宮城、千葉、福岡、佐賀、熊本、沖縄の7道県。
山形県は横ばいという結果。
都道府県庁所在地の最高路線価、上昇率と下落率トップ5の地点をピックアップすると…
<上昇率上位5地点>
1. 仙台・青葉通り | 3.8% |
2. 千葉駅前大通り | 3.5% |
3. 宇都宮駅東口駅前ロータリー | 3.4% |
4. 横浜駅西口バスターミナル前通り | 3.1% |
5. 福井駅西口広場通り | 3.1% |
<下落率上位5地点>
1. 奈良・大宮通り | ▲12.5 |
2. 神戸・三宮センター街 | ▲9.7 |
3. 大阪・御堂筋 | ▲8.5 |
4. 盛岡・大通り | ▲8.0 |
5. 東京・銀座中央通り | ▲7.0 |
※都道府県庁所在地の最高路線価、▲はマイナス
上昇率上位5地点は、いずれも駅前一等地。
そして、下落率上位5地点は、観光地が多いのが特徴です。
下落率1位となった奈良・大宮通りは、周辺に世界遺産を抱えるエリア。
訪日客の減少の影響が大きいようです。
また、下落率上位の他の地点も新型コロナウィルスの影響によって訪日客が減少し、宿泊や買い物による消費額が大きく縮小したことが下落の要因と考えられます。
浅草・秋葉原・上野をはじめ、東京の路線価は、8年ぶりの下落
一方、東京の状況をみると、前年比1.1%下落。
2013年以来、8年ぶりの下落となりました。
ではここで、各税務署管内で最高路線価の下落率トップ10位をみてみましょう。
税務署名 | 所在地名 | 路線価(万円/1㎡) | 下落率 |
浅草 | 台東区浅草1丁目 (雷門通り) | 355 | 11.9% |
神田 | 千代田区外神田4丁目 (中央通り) | 816 | 10.5% |
上野 | 台東区上野4丁目 (中央通り) | 832 | 8.0% |
京橋 | 中央区銀座5丁目 (銀座中央通り) | 4272 | 7.0% |
四谷 | 新宿区新宿3丁目 (新宿通り) | 2664 | 5.9% |
本郷 | 文京区湯島3丁目 (春日通り) | 372 | 5.3% |
江戸川南 | 江戸川区西葛西6丁目 (西葛西駅南口) | 138 | 4.8% |
八王子 | 八王子市旭町 (八王子駅前広場通り) | 206 | 4.6% |
江東東 | 江戸川区亀戸5丁目 (亀戸駅北口) | 168 | 4.5% |
本所 | 墨田区江東橋3丁目 (錦糸町駅南口) | 239 | 4.4% |
都内にある48の税務署管内ごとの最高路線価は37地点で下落。
3地点で上昇。
7地点で横ばい。
下落率の1位の浅草雷門通は、前年の上昇率が33.9%と都内で最も高かったにもかかわらず、今年は下落率1位と反転した結果となりました。
2位は、所在地名が千代田区外神田4丁目となっていますが、秋葉原の中央通りのことです。
こちらも10.5%下落しています。
東京でも訪日客の減少が打撃となり、商業施設やホテルなどの需要が落ち込んだだけでなく、コロナ禍による外出自粛も路線価下落の要因となったとみられています。
一方で、都内で上昇している地点をみてみると、北千住や西新井といった訪日客の影響が少ないところだとわかります。
現在も、コロナ禍の状況は続いているため、在宅勤務やオフィスの分散化が進み、今後、商業地やオフィス街では下落する地点が増える可能性が考えられます。
助手・とん
むかえ
商業地もかなり苦しい状況だというのは、街を歩いていても感じます。
飲食店だけでなく、アパレルも多いかな。
でも、やっぱり路線価の全国1位は、東京都中央区銀座5丁目の文具店<鳩居堂>前なのですよね。
なんでも、36年連続だとか。
また、千葉県は、関東甲信越で唯一のプラス。
都内とのアクセスが良い東京周辺地域は、不動産需要を押し上げる可能性があるのかもしれないね。
これからも注目していこう。